ソフトウェアは気づかないうちにクルマを破壊してしまうのか?
ソフトウェア定義車両(SDV)は、OTA...
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SDV(Software Defined Vehicle:ソフトウェア定義車両)への移行に伴い、車載ソフトウェアのOS構成はLinux、AUTOSAR、各種RTOSが並存するマルチOS構成へと変化しています。このとき課題となるのは、OSそのものではなく、OS内で重要なデータ処理を担うネットワークスタックとファイルシステムがOSごとに分散したままになる点です。
本記事では、RTOSを量産車両に適用する際に、自動車メーカーやTier1サプライヤーが直面するミドルウェアの課題と、共通スタックで解決できることについて整理します。
ひとつの車両だけでなくひとつの統合ECUの中でもLinux、AUTOSAR、各種RTOSが並存する構成が標準となりつつあります。OS選定の柔軟性を確保しつつ、その上位レイヤをどう共通化するかが量産品質に直結する構造です。
RTOSには、標準のネットワークスタックとファイルシステムオプションが提供されているケースがありますが、そのまま量産車両に適用できるかは別の話です。その論点となるのは、次の3点です。
高機能領域にはLinux、セーフティクリティカル領域にはAUTOSAR、リソース制約のある領域には軽量なRTOSという使い分けが一般的です。OS標準のミドルウェアをそのまま採用すると、ネットワークスタックもファイルシステムもOS環境ごとに別ソフトウェアとなり、量産向けの統合テストと検証を個別に実施する必要が生じます。
表面的に同様の機能を提供していても、異常検知時の内部的な挙動(障害・未対応機能・リソース枯渇発生時、またその復旧条件など)はミドルウェアごとに異なります。書き込み完了の扱い、電源断後の復旧処理、タイミング特性は実装依存になりやすく、差異が積み重なると、システム全体の挙動が読みづらくなり、障害解析と安全設計が複雑化します。そして、自動車メーカーやTier1サプライヤーは、コンポーネントを別々のサプライヤーから調達する場合でも、ECU全体のエンドツーエンドの堅牢性、障害復旧、ライフサイクル管理の最終的な責任を負わなければなりません。
車載ソフトウェアのサイバーセキュリティ要件は、ISO/SAE 21434とUN-R155が主要な枠組みです。UN-R155は型式認証の前提としてCSMS(サイバーセキュリティ管理システム)の運用を求めており、その対象は開発フェーズにとどまらず、生産後の脆弱性監視・対応を含む車両ライフサイクル全体に及びます。自動車メーカーとTier1サプライヤーがソフトウェアベンダーに求めるのも、これらの枠組みに対応した継続的な脆弱性管理と変更管理のサポートです。
重要なのは「OSの共通化」ではなく「ミドルウェア(ネットワーク/ストレージ組込みソフトウェア)の共通化」です。OS自体はドメインごとに最適なものを選ぶのが現実解であり、SDVを見据えたアーキテクチャの流れもその方向にあります。その前提の上で、ネットワークとストレージは共通の考え方と責任体系に基づいて統一できます。
組込みソフトウェアスタックの共通化には、次のメリットがあります。
一方で、共通化だけで解決しないのは「量産品質そのもの」です。電源断耐性、決定論的な挙動、フラッシュ寿命、実負荷下での低レイテンシといった組込み固有の要件は、個々の組込みソフトウェアの実装品質で決まります。ここは別軸の評価基準が必要です。
Tuxeraは、ネットワークとストレージの両軸で、複数のOSに共通適用できる量産対応の組込みソフトウェアを提供しています。
ネットワーク: Tuxera TCP/IP Stackを各RTOS環境で標準化の軸として活用できます。機能安全認証を見据えたTuxera TCP/IP CERT構成もあります。
ストレージ: 別々のOSから同一のファイルシステムへのアクセスに活用できます。以下の製品はいずれも車載機器では必須である電源断に対応しており、用途に応じて使い分けます。
量産現場で自動車メーカーおよびTier1サプライヤーにとって重要なのは、高品質なソフトウェアが提供されることだけではありません。問題が発生したときに、誰が責任を持って解析し、いかに早く解決できるかが事業に直結します。Tuxeraが提供する価値は次の4点に整理できます。
Q. RTOSの標準ミドルウェアはそのまま量産で使えますか?
選択肢のひとつとしては有効ですが、量産品質の観点では自動車メーカー・Tier1サプライヤーが統合、検証、機能安全対応、サイバーセキュリティ対応を個別に負担する構造になります。特に複数OSが並存する構成では、OS環境ごとに同様の作業を繰り返すことになり、工数とリスクが増えます。
Q. ISO 26262対応はどう確保しますか?
Tuxera TCP/IP CERT、次世代ファイルシステム製品(今後提供予定)の安全関連機能を通じて、認証取得を前提とした開発プロセスと成果物を提供します。具体的な提供形態はプロジェクト要件に応じて調整します。
マルチOS環境下でのネットワーク/ストレージミドルウェア戦略に関するご相談は、[email protected] までお寄せください。
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